<園長先生のつぶやき
その28 子育て>
私はこれまでたくさんの子どもたちや親と接してきて、小さい時期における教育の大切さをしみじみと感じています。
早いものでこのちどり幼稚園で幼児教育に携わるようになって7年目になりました。
先日、小学校を訪問した時に6年生になった卒園児が「園長先生、こんにちは。自分のこと覚えていますか?」と話しかけてきました。
身長も随分と伸び、6年生らしい顔立ちになっていましたので、私は全くその子の名前を思い出すことができませんでした。
「自分が年長組だったとき、ふじ組にいた〇〇です。思い出しましたか。」と名前を名乗られてやっと思い出すことができました。
本当に立派な6年生になっていて嬉しく思いました。
この子のように在園児にはすくすく育ってほしいものです。
そのために幼児期に親が家庭で子どもを育てるときに心がけなくてはならないことは、(家庭教育)
① 子どもとゆっくりと会話する時間や一緒に過ごす時間を多くとりながら、親の温かい愛情をたっぷりかけて育てる。(子育ては「愛」です)
② これが欲しいと言ってきたときはすぐに買い与えないで、どうしてこれが欲しいのか理由をしっかり聞いてやってください。
ましてや高価な物であった場合は、どんなに泣き叫ぼうが「今は買えない」とはっきり言い切ることが大切だと思います。
その後に例えば、家でお手伝いをさせながらお小遣いをためさせて自分の望みを叶えさせてみてはどうでしょうか。
働いたお金でおもちゃが買えることや買えた喜びを味わうことができるでしょう。
このように、さまざまな体験をさせお金の大切さについて学習をさせてみるのもいいかもしれません。
③ 子どもの前では決して子どものことで夫婦喧嘩をしない。
かっこいい素敵な子どもにするためには、夫婦仲良く笑顔が一番です。
そのためには、教育方針を一致させておくことが大切だと思います。
夫婦喧嘩は子どもが寝てからです。
④ その場で、その瞬間にこどもに教える。
私が正門で子どもに「おはよう」「いってらっしゃい」と声掛けをしていると、「おはよう」と挨拶が返ってきます。
わが子に「おはようではありません。園長先生には、おはようございます。と言うのよ」と子どもに言い聞かせている保護者の方がおられます。
これこそ家庭教育ではないでしょうか。その子はすぐにはできませんが、色々な場面で同じことを言われることにより自然に学習し身に付けていきます。
こうして身に付いた正しい習慣は、その子の一生の宝になります。
⑤ 子どもが良いことをしたときや努力して頑張ったときは、おもいっきり褒めてやる。
大人にはできて当たり前の事でも、子どもにしてはできなくて当たり前です。
つい「こんなのができないのか」とくさしたりしますが、どんな小さなことでも頑張ったときには褒めてやってください。
幼児期の子どもは褒められ、認められて育っていきます。
⑥ 子どもの前では他人(ともだち、親、先生、幼稚園など)の悪口はだめです。
他人への思いやりや先生を慕う気持ちがなくなり、人への敵意が育っていきます。
特に学校や幼稚園は子どもの幸せのためにベクトルを合わせて一緒に取り組む場所です。
私も息子が中学生のとき、息子の前で習い事の先生を批判すると「僕の先生を批判するのはやめてくれ」と泣きながら訴えたのを今でもはっきり覚えています。
息子の一言は私の心に重く響きました。父親失格です。
私自身振り返ると、反省することが多くあります。はじめから完全な親になれる訳ではなく、子どもと一緒に成長していく大人でありたいと思います。