<園長のつぶやき その12>
「先生たちの夏休み」
園長室にいると、コンコンとドアをたたく音がしました。私が「ハーイ」と言ってドアを開けるとそこには、かわいい子どもたちが手に何か持って担任の先生と一緒にいました。園長室に尋ねてくるのはどの子も初めてで、こわごわとお互いを見つめ合いながら静かに立っていました。
私が「よく来たね。さぁ、中に入って、入って」と言うと恥ずかしそうに園長室に入ってきて、みんなが口をそろえて「お買い物にきてく―ださい。」と言って手作りのお財布をくれました。お財布の中には商品引き換え券が2枚入っていました。
夏祭りごっこが始まると、誰よりも先に走ってお店に行きました。ところがすでに時遅し、理事長先生や副園長先生がとっても嬉しそうに焼きそばやトウモロコシを買っておられました。がーん。です。しかし、どのお店の商品も本物そっくりにおいしそうにできていたのにはびっくりしました。夏祭りごっこに呼んでくれてありがとう。うれしかったです。
さて、先生たちの夏休みについてつぶやきましょう。
先生たちの夏休みは、研修に始まり研修に終わると言っても過言ではありません。園内研修においては、1学期の各学年、各部、ヒヤリ・ハット、体力づくり、挨拶指導の取組み、造形づくり、夏まつりなどのまとめ研修から始まり、講師を招聘しての研修会へと続きます
研修1
もとマツダ株式会社で役員秘書をされていた方による「接遇マナー」について学びました。
「接遇」とは相手に対して思いやりの気持ちで接すること。
「マナー」とは周囲の方への思いやりの気持ちを大切にし、自然な振る舞いで表現できること。
また、マナーの5原則として
①挨拶
②表情
③身だしなみ
④立ち振る舞い(態度)
⑤言葉遣い
について模擬を通して学びました。
中でも印象に残っているのは、電話対応では、電話をかけた方が先に電話を切り、電話を切るときは、受話器の不快な音が相手方に聞こえないように、先に本体の電話を指で押さえてから受話器を置く。というお話です。
私も電話を切るときに、受話器を音立てて置いたことが何度かあるのでとても反省しました。先生たちもマナー研修後は挨拶、電話対応の面でより素晴らしいものとなりました。
研修2
「子どもの基礎体力づくり」の講演や実技指導で全国各地から依頼され活躍されている方を講師に幼児期に必要な運動遊びの講義及び実践について学びました。
子どもの体の土台づくりの必要性については、特定のパフォーマンスは10年ほどすれば頭打ちがくるので、10年以降の向上にはそれより前の10年がとても重要である。よって、特定のスポーツに絞り込むのは10歳以降が理想的である。
基礎体力ができていない状態で特定の動作の繰り返しが多いとトレーニングリザーブ(第二次性徴以降のパフォーマンス育成余地)を消費しやすく、未来の可能性をつぶしてしまう。子どもは大人のミニチュア版ではない。行動が幼く、思慮が足りないものであり、社会的にも未熟な段階にあるゆえ、大人と同じことをしないことが大切であることを学びました。
2学期からの「体力づくり」を進めていく上で大変参考となるお話でした。
研修3
「ドキュメンテーション」について、乳幼児教育センター 幼児教育アドバイザーの方から学びました。
「子どもってすごい!」を再確認するものがドキュメンテーションである。
①エピソード記録と写真でまとめた記録
②子どもの具体的な姿・心・力の育ちが伝わる記録
③子ども・保育者・保護者と共有できる記録
④保育の振り返りや計画作りにつながる記録
⑤子どもや保育が面白い!と思えてくる記録
この記録から子どもにどんな心や力が育っているかが見えてくる(幼児理解)また、次の保育をどう展開したらいいかが分かるようになる。(保育計画)ということを教えていただきました。
2学期からドキュメンテーション作りを通して、指導の過程を振り返りながら子ども理解を進め、子ども一人ひとりのよさや可能性などを把握し、指導の改善に生かしていきたいと思います。
このほか先生たちは、他園の視察や幼稚園連盟、教育委員会、教育センタ―主催の講座や研究大会の研修会に自主的に参加していきます。そして夏休みの終わりには園内において最後の研修、研修報告会で各自が参加した研修会の報告をして夏休みを終えます。
夏休みに実施されるこれらの研修会は、先生たちの質の向上につながり、子どもたちに質の高い教育(保育)を提供できます。
ちどり幼稚園の先生たち、本当にこの暑い中よく頑張りました。2学期も子どもたちを大きく、大きく成長させてやってください。よろしくお願いします。